ハリセンボンの飼育方法。基礎知識や注意点、飼育道具準備方法

愛くるしい姿のハリセンボンは海水での飼育が必要です。飼育に慣れてくれば人懐っこい姿を見せてくれ、寿命も長いことからいつしか家族の一員のようになっていたり。そんなハリセンボンの飼育方法や必要な餌、特徴や性格などを紹介します。ハリセンボンとの混泳や注意点なども参考に飼育してみましょう。また、初心者飼育の場合には水槽についての知識が少ない場合もあります。そんな時の対処方法も紹介します。

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ハリセンボンの特徴と種類を知って飼育準備をしよう!基礎知識を紹介

自分の身を守るために付いている棘が針のようで、何本も沢山ついていていることから実際の数よりも多い「千本」とされ、ハリセンボンと言う名前がつきました。
  • 丸く膨らんだイメージが強いですが、身を守る時のみ体を膨らませるので、普段はしおれたように見えるのも特徴です。
  • 噛む力が強く、あごと歯が一緒になっているため硬い貝類などもかみ砕き、棘で身を守る事から天敵がいないのも特徴です。
体長は40㎝と大きめで、種類によっては60㎝から90㎝ほどと更に大きいサイズもいます。

1.ハリセンボン

体長は30㎝から40㎝ほどでハリセンボンの種類の中では小さい方です。

体中に小さな黒い斑点があり、膨らむと長い針が出るのが特徴です。釣りなどをしていると釣れる場合もよくあり、そのまま飼育する人などもいるほど定番の魚です。

2.ヒトヅラハリセンボン

体長は50㎝から60㎝ほどで沖縄では食用として食べられたりもしています。大きめの模様が特徴で、黒に白の縁取りが印象的なハリセンボンです。どのハリセンボンも針や皮膚に毒を有しておらず、食用として食べられることが多いです。稀に卵巣に毒を持つ場合もあるので注意しましょう。

3.ネズミフグ

ネズミと名前が付いていますがハリセンボンの仲間で、体長が80㎝から90㎝ほどにもなる大型の種類です。口の尖った部分がネズミに似ているのでこの名がつきました。尖った口からは歯が出ており硬い物でもかみ砕いてしまいます。

ハリセンボンに適している飼育環境は!飼育する前に整えよう

1.水温・水質

基本の水温は25度前後で、23度から25度の間で飼育することができます。事前に購入店の水槽内の温度なども聞いておき同じ温度に保つようにし、ストレスをなるべく与えないようにし、病気に掛からないようにしましょう。

また、排泄するフンの量が多いハリセンボンは水槽内の水も汚れやすく、水質悪化が早いのも特徴です。水槽内に設置するフィルターは濾過力が高いオーバーフロー水槽にし、水替えも一週間に一度程度行い、水質を悪化させないようにしましょう。水替えは全量ではなく水槽内の三分の一程度の交換で、底に溜まった汚れを吸い出すように交換するとキレイな水質を維持していくことができます。

2.水槽の大きさ

ハリセンボンは大型の魚で、最終的には90㎝以上の水槽で飼育しなければなりません。

稚魚の時は小さくて水槽も小型のもので足りますが、一気に大きく育っていきます。稚魚の頃から大きく成長することも頭に入れて初めから中型の60㎝水槽で飼育した方が何度も水槽を買い替えなくて済みます。更に大きくなる場合には90㎝以上の水槽を購入しハリセンボンが膨らんでも狭くならない大きさのサイズにしましょう。

ハリセンボンは膨らむと自分の体長の倍近い大きさになります。膨らんで身動きが取れない状態にならないように考慮しておきましょう。

3.バクテリア

生き物を飼育する際にはバクテリアの力が必要で、水槽内の有毒物質の分解や汚れの分解などを行ってもらい水槽の水質維持をしてもらうのです。

バクテリアは水槽内に定着するまでに時間が掛かり、特に海水の場合には1か月ほどの期間が必要になるのでハリセンボンを購入する前に、水槽などを先に購入してお迎えできる環境を整える必要があります。

ハリセンボンの飼育方法!中級者向けと言われる理由も紹介

  • 海水飼育でアルカリ性に水質を保ちながら飼育していくようにしましょう。ハリセンボンは水質に少し敏感なので水替えを週一回定期的に行い水質をアルカリ性から傾けないように飼育してください。
  • 初心者飼育の場合には必ずハリセンボン1匹のみで飼育を行なうようにして下さい。混泳については下記にも記載しますが、ハリセンボンは混泳に向かない魚です。同種同士でも同じで水槽内で一緒に飼育することはおすすめしません。
  • 慣れてくると飼い主として認識してくれるようになりますので、飼育放置だけは絶対にしないようにしましょう。繊細で拗ねたりもしますので、ストレスを溜めやすい性格でもあります。毎日お世話できる方のみ飼育する方がよいでしょう。

ハリセンボンの餌

ハリセンボンの稚魚を飼育する場合には乾燥クリルを与えて様子を見るようにしましょう。個体差によって餌の食いつきに違いが出る場合があるので、アクアリウムショップでどんな餌を与えているのかを聞き、同じものを与えて様子を見るようにしましょう。

飼育し始めはハリセンボンもナーバスになっているので餌を食べない場合もあり観察しながら食べてくれるのを待ちましょう。それでも食べてくれない場合には、イカの切り身や、貝、甲殻類を与えて食べてくれる種類の餌を探ることが必要になります。

中級者向けと言われる理由

ハリセンボンは水槽の適温が通常の温度より低めであることや、鱗が無い事から病気になりやすく、対処方法がわからなかったり、初期対応が遅れてしまうことから早い段階で命を落としてしまうことが多々あります。また、慣れない海水飼育であるので人工海水を作ったり、水替えの頻度が多かったりと負担が多いのも中級向けと言われる理由の一つです。

飼育経験がある場合には多少の変化に気が付きやすく、飼育についても対処しやすいので長期飼育までいくことができますが、経験が無い場合にはまずは他の海水生物の飼育から始めて経験値を積み、自分なりの飼育方法を身に着けてから挑戦する方がよいでしょう。

ハリセンボンの飼育方法と混泳の注意点!飼育中に行ってはいけないこと

1.膨らませすぎない

ハリセンボンは驚くと防衛本能で口から水と空気を吸い込み膨らんでしまいます。

膨らんだ姿はお馴染みの様子に思えますが、興奮した時などでないとよく見る膨らんだ体にはなりません。

体を膨らませるとすぐには元に戻れず数時間同じ状態のままの場合があります。浮きすぎてエサも食べられないような状態になるとストレスが掛かってしまいよくありません。軍手をして水中から空気を抜いてあげるように優しくお腹を押して対処しましょう。

2.トゲに注意

ハリセンボンのトゲは鋭利で、飲み込んだ魚は棘でやられてしまうほどです。棘に毒はないので刺さっても危険性はありませんが、鋭利なので触れる時には注意しましょう。また、購入時に興奮させてしまうと購入した袋を棘が突き破って破れてしまうので持ち運びにも注意が必要です。

3.病気になりやすい

ハリセンボンは飼育し始めに白点病になりやすく、飼育者を苦しめます。

飼育する際には白点病にならないように水質を悪化させないようにしたり、購入時に元気のよい個体を選ぶようにしましょう。

また、鱗がないので寄生虫が付きやすい体であることから病気になりやすい魚でもあります。ライトの他に殺菌灯なども合わせて使用すると病気の感染を防ぐことができます。

ハリセンボンの混泳

ハリセンボンは気性が荒く、他の生き物と混泳させると魚の場合には突いたり、小さな魚の場合には食べられてしまいます。

また、甲殻類などが大好物なので一緒の水槽には絶対に入れないようにしましょう。

同種を襲うことはありませんが、元々単独でも水を汚しやすい魚なので、数が増えるとそれだけ汚れも激しくなり水質維持が難しくなってしまいます。水質悪化は病気の原因になりますのでまずは単独飼育から始めてみるようにしましょう。

ハリセンボン水槽を初心者でもセッティングする方法!ショップに行ってみよう

アクアリウムショップへ行こう

ハリセンボンに関わらずですが、水生生物を飼育したいと思ったら専門知識を持っている店員がいるお店に行ってみましょう。ホームセンターなどのペットショップでは全ての知識を持った店員が常駐している可能性は少なく、詳しく情報を知りたい時に得られない可能性があります。

しかし、アクアリムショップならば水生生物を主に扱っているので知識も豊富で初心者から上級者までの悩みに答えてくれます。

まずは専門ショップを訪れ、疑問を解決してから中級難易度と呼ばれるハリセンボンの飼育に挑戦してみましょう。

ショップ店員と仲良くなる

アクアリウムショップに何度か足を運び店員さんと仲良くなることで様々な悩みや質問をしやすくなっていきます。ちょっとした疑問や多少の無理なら聞いてくれるかもしれません。よく来るお客さんでいるよりは、顔なじみの常連さんとして店員さんに認識してもらえるようになるとコミュニケーションしやすく、お店に足を運びやすくなります。

全てお任せしてみる

ハリセンボンの水槽を自分で作ると不安な点ばかりで設置後の飼育でもおっかなびっくりになってしまいます。初心者の場合には、自分で設置するよりもお店の店員さんにお任せして水槽を作る方法が取れる場合があります。もちろん、店員さんと仲良くなれば快諾の確率も上がってくるでしょう。

お店の水槽と同じ道具を使って作ってもらえば間違いありません。思い切って店員さんに聞いてみましょう。お店で水槽に砂やアクセサリー等を全て事前にセットしてもらい家に持ち帰り海水をいれるのみの状態まで仕上げてもらえば飼育のハードルがグッと下がりますよ。