水槽のリセット方法。必要な物や作業手順を把握してスムーズに

水槽をリセットするのには手順を頭に入れて作業を行った方が短い時間で終わらせることができます。リセットには手間もかかるためよっぽどの理由がない限りは行うことが少ない作業です。年に一回のソイルの交換時期である場合にはソイルの入れ替えだけで済むのでさほどの事ではありませんが、水槽内の病気の蔓延などの場合は消毒なども必要になります。思ったより作業が多いのでリセットし始めてから終わるまでに時間が掛かってしまう場合もあるでしょう。作業をスムーズに行うための方法や作業手順などを紹介します。

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水槽をリセットする理由を明確にしてスムーズに作業する

水槽のリセットに至るには水槽内の環境を考えてのリセットが多いですが、全てをリセットしてまた新しい環境を作っていくには住んでいる生き物たちにとってかなりのリスクがあります。
新しい環境でも生き物が暮らしていける住みよい水槽作りが必要になります。
水槽のリセットに至った要因をまずはしっかりと見つめなおしましょう。そして行う作業を明確にしておくようにします。

レイアウトのみ変更

レイアウトの変更でリセットする場合には水槽のどの部分を作り直したいのかを書き出します。レイアウトのみの変更であれば底砂などを変更せずに行えば水槽内のバクテリアはそのまま使用できるのでそれほどまで水槽内の環境が変化することはありません。

病気が蔓延した場合のリセット

病気が蔓延した場合のリセットはとても手間がかかります。水槽内から全ての物を取り出し、新しいものに変更もしくは消毒して使用しなければなりません。底砂や水草などに細菌が付着している場合があり消毒できないものは買い替えなければなりません。

苔が蔓延した場合のリセット

水槽内に苔が沢山生えて手に負えなくなった場合にもリセットは有効です。水槽内の環境がよくないことで苔が蔓延してしまっているのでまずは付着した苔の除去できるものは酢や消毒などで取り除き、ソイルや水草も新しいものに交換する必要があります。

ソイルの交換時期でのリセット

ソイルには寿命があり、寿命を過ぎても使い続けるとソイルが砕けてきて水質を悪化させてしまいます。折角バクテリアが住み着いて水槽の環境も安定しているのにまた一から環境を作り直すのには勇気が入ります。しかし、思い切って作業することでその先もまた生き物を飼育していけるようになるのでしり込みせずに行っていきましょう。

水槽のリセットに必要な物!新しく用意するものなどは書き出しておく

全てのものをリセットする場合には、新しく用意するものも増えるでしょう。しかし、全て新しいものに変えるのは水槽立ち上げと同じくらいお金がかかるということです。使用できるものは再利用したいと考えるのは当然でしょう。病気の蔓延などではない場合にはフィルターやポンプなどは再利用が可能です。苔などの場合なら再発することは少ないので使えるものは再度使用して経済的に水槽リセットを行いましょう。

水槽のリセットに必要な物

新しいソイル、新しい水草、新しいレイアウトにする場合には流木や石など。
再利用可能なろ過装置や、エアレーションなどが必要です。
バクテリアを繁殖させた飼育水、バケツ(沢山必要になります。生き物をいれたり、水槽内の水を入れておいたり、水草や流木をいれておいたりします)、敷物や新聞(水槽から出したりするので床がとにかく濡れます。敷物があると掃除の手間が省けます)、ソイルをすくうシャベル(水槽を傷つけないプラスチック素材のものが適しています)。

リセット時の注意点

病気の蔓延ではない場合には使用していたものはそのまま使用するようにします。新しいものの使用は水質が一気に変化する危険性があり、急激な水質変化は生き物にとても負担が掛かってしまいます。負担を少しでも軽くするためには、使用しているろ過装置やエアレーションなどは綺洗いすぎないでそのまま使用するようにして、水質と生き物が落ち着いてから少しずつ綺麗にしていくようにしましょう。全て綺麗にする場合には新しい水槽とほぼ変わらないので生き物の投入は日を置いて行う様にしましょう。

また、使用していた水槽内の水も病気が蔓延していない場合なら半分ほど入れて使用するようにします。生体安定のためには今まで使用していた水質であることがとても大事なのです。

水槽のリセット方法を順を追って解説!手順を頭に入れると余計な時間を省ける

水槽のリセット前に行う作業

水作り
これは水槽内にリセット後に入れる水を先に作っておく作業です。水槽内に何も問題がない場合には飼育水をそのまま使用すれば問題はありませんが、そのまま使用できない飼育水の場合は(病気の蔓延、苔の異常発生による飼育水内の胞子蔓延)、新しい水を作ってバクテリアを繁殖させておく必要があります。
一週間程を目安に、使用しているフィルターを設置して回すことで新しい水にバクテリアを繁殖させます。一日数時間フィルターを使用し、元の水槽に戻すなどして一週間のうち2、3回ほど行っておきましょう。

水槽のリセット手順

  1. 生き物を別の容器に移す
    リセット作業のうち一番時間を要するのがこの移す作業です。飼育水が多いと生き物はすごい速さで逃げ周り捕獲が困難です。追い回せば追い回すほど生き物は弱っていくのでスピード勝負で作業しましょう。また、網ですくうと魚類は鱗などを傷つけてしまいます。大型の魚でない場合にはコップや持ち手の付いた容器で水ごとすくい取るとよいでしょう。底に居る魚やエビを捕獲する場合には水量を少し減らしてから捕獲すると作業しやすいです。
  2. 水草を抜き、設置している流木や石などを避ける。
    生き物がまだ残っている可能性も考えてあまり手荒に作業を行わないようにしましょう。そっと水草を抜いたらバケツに移します。石や流木も他のバケツにいれておきましょう。
  3. ヒーターは水から出す前に必ず電源を落としてからにします。水槽に出してからも電源が入っていると火事をおこしてしまうので注意してください。フィルターの電源を落とした後再度生き物が残っていないか確認してからフィルターも完全に取り除きます。
  4. 水槽内の水を排出する
    水槽の水を使用する場合にはバケツに汲み出しておきます。フィルターやポンプなどを洗う場合には水道水で洗ってしまうと水道水に含まれる塩素によってバクテリアが死滅してしまいます。軽く洗う場合でも必ずカルキ抜きした水で洗うか、水槽内の水を使って洗うようにしてください。
  5. ソイルや底砂を水槽から出す
    底砂は水槽用のシャベルなどがあると取り除きやすいです。小型の水槽の場合には水槽を持って傾けて全てを排出することができますが、大型の水槽では持ち上げることも一苦労なのですくい出す方が作業が早く終わります。水を含んでいるため、ザルなどをしようしてすくい出してもよいでしょう。
  6. 洗いたいものがある場合には清掃
    水槽や、ろ過装置、ヒーターやポンプなど、軽く洗う物があればカルキ抜きした水で洗うようにしましょう。
    生体に負担を掛けないことを第一に考え、洗い過ぎには注意します。
  7. 新しいソイルを入れる
    新しいソイルに古いソイルを少し混ぜて水槽内にソイルを敷きます。古いソイルを入れることでそこに住み着いたバクテリアからまた繁殖しやすくなります。
  8. ろ過装置とポンプ、ヒーターなどを設置する
    新しくレイアウトを考える場合には先に書いておいた構想をイメージしながら配置します。その他、水草なども配置できるものは配置し、植え付けるタイプの水草は水を入れた後に植え付けましょう。
  9. 水槽に水を入れます
    飼育水がある場合には全て戻し、新しく作った水の場合にはすべて入れた後1週間から2週間程様子をみるようにしましょう。
  10. 生体を入れます
    飼育水をいれてからすぐに生体は入れないようにしてください。もともとの飼育水であっても水合わせを行ってから水槽に入れ、生体の負担にならないようにしてください。

水槽のリセットで再利用できるものは…水草やソイルなどの再利用方法

  • ソイルは再利用できる
    ソイルの寿命は一年程ですが、崩れてきていないソイルの場合は再利用が可能です。
    ザルなどに一度出してから崩れて泥状になっているものを洗い流し形の残っているものだけをしようします。使用する際には、新しいソイルに混ぜて使用したり、量が残っている場合には一番下の層に敷き、その上から新しいソイルを敷いて使用するとよいでしょう。
    その他の使用方法としては、庭の土に混ぜて使用したり、鉢に入れて園芸用の土として使用する方法があります。そのまま捨てるよりは家庭菜園などに使用して再利用してみましょう。
  • 水草の再利用
    水草も細菌やコケなどが付着していない場合は再利用することができます。根を持った水草などはバクテリアが住み着いているのでそのまま新しい水槽に戻しておくと水質も早く安定します。
    苔が完全に付着して取ることが不可能な場合以外は使用していた水草を再度水槽に戻して使用しても問題はありません。また、色が悪くなったものなどは新しく生えてきた部分をカットしてそちら側だけ新しい水槽に植えなおしてもよいでしょう。
    水草も生き物ですから新しいものが必要ない場合にはまた再利用することをおすすめします。

全く新しい水槽へリセットする方法!原因次第では徹底的に消毒が必要

病気が蔓延した水槽では病原菌が様々な場所にまで入り込み再利用不可能な状態になっています。その場合には水槽とフィルター、ソイルではなく砂利などの場合は消毒が必要になります。
消毒に使用する物には、ハイターなどの塩素系洗剤などを薄めて使用します。

バケツに水と塩素系洗剤を入れて、消毒したいものを漬け込みます。石についた苔などもにも病気の菌が付着している場合もあるので再利用する場合には消毒をおすすめします。

塩素水につけるとコケなどは剥がしとることができるので擦っても取れない場合には消毒液に着けるとよいでしょう。