水槽内のアンモニアの発生原因と予防対策、生き物への影響を解説

水槽内にアンモニアが溜まっていくと生き物に影響が出始めます。そのままにしておくと命の危険も生じてしまうため、未然に対策を立てておきましょう。アンモニアが発生する原因を学び、被害を最小限に食い止めるためにも、アンモニアで起きる生き物への影響の仕方、濃度が濃くなってしまった時の対策、予防方法を紹介します。また、定期的に濃度を計測して日ごろから注意しておくと未然に防ぐことができますので計測の仕方も紹介します。

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水槽内で発生するアンモニアの原因は!対策を立てるには発生原因を知ろう

生物にとって有害な物質であり、量が多いとアンモニア中毒になったり、水槽内の生き物であれば生命の危険があります。生き物が水中で生活していればどうしても汚れが発生します。フンや尿、餌の食べ残し、呼吸に至るまでが水槽内の汚れとなり水質を悪化させます。

水槽内には分解者であるバクテリアが住み着いていて、徐々に水槽内に数を増やしていきます。

バクテリアが餌の食べ残しやフンなどを分解することによって発生する物質がアンモニアです。バクテリアが食べて分解したものの排泄物がアンモニアというわけです。

バクテリアにはアンモニアを分解してくれる種類もいますので、アンモニアが発生したらその分を分解してくれる数のバクテリアが存在すればバランスよく水槽内にアンモニアが溜まらない環境を作り出すことができます。

アンモニア発生原因

1.バクテリアが分解を行った場合

水槽内にバクテリアが分解できる有機化合物が多くある状態の場合には次々に分解してくのでアンモニアが溜まり濃度が高くなってしまいます。バクテリアが分解できる餌の残りやフン、生物の死骸や、枯れた水草などが水槽内に多くある場合にはその分バクテリアの働きが良くなり、水中に溶け出すアンモニアの量も増えてしまいます。

2.フンや尿が多い場合

生き物がは排泄するフンや尿にはアンモニアが多く含まれています。バクテリア分解の過程で出るわけではなく、初めから有害物質の状態のまま排泄されてしまいます。

飼育している生き物の量が多い場合や、フンの排泄量が多い生き物の場合には水槽内にアンモニアの濃度が高くなってしまいます。

3.魚のエラからの排出が多い場合

魚はエラから酸素を取り込み、代わりにアンモニアを排出します。フンや尿に含まれているアンモニアよりもエラから排出するアンモニアの量が多いため、生き物の飼育数が多いとその分アンモニアの濃度のが高くなってしまいます。

アンモニアによって起こる生き物への影響は!アンモニア濃度によって変わる症状

生き物が命を落とす

アンモニアが水槽内に高濃度で広がると、水中にいる生き物へ中毒症状を引き起こします。アンモニア中毒になると一気に生き物が死んでしまうことがあるので注意が必要です。生き物が命を落としてしまうアンモニア濃度は0.25mg/L以上で、これよりも高い濃度であればすぐに死んでしまいます。

0.25mg/Lより少ない状態でも危険な状態で、濃度が濃い状態が長い期間続く環境だと次第に弱りそのまま死んでしまいます。

水槽の水が白くなる

水槽内の環境にバクテリアが適応できず死んでしまうとアンモニアが発生し、水槽内のアンモニア濃度が高くなって水槽の水が白く濁ることがあります。気泡によって白くなっているのではなく、水自体が白くなっているのでよく見ると違いに気が付くことができます。水槽が白く濁り出したら水替えを行い環境を改善するようにしましょう。

刺激臭がするようになる

アンモニアの臭いは鼻を刺すような臭いとして知られています。一度は嗅いだことがある臭いなので水槽から刺激臭がしてきたらアンモニア濃度が高くなっている証拠です。
常に臭いを発している状態なのですぐに気が付くはずです。

刺激臭を感じたらすぐにアンモニア濃度を計測し、対策を立てるようにしてください。

水槽内のアンモニア濃度対策!下げるための対処方法を紹介

水替えを行う

アンモニア濃度が濃くなっている状態の水槽の水は水替えをすることで濃い状態の水を取り除き、新しい水を入れることによって濃度を下げることで対策できます。

全ての水を入れ変えてしまうと生きているバクテリアを全て捨ててしまうことになるので水槽の環境維持が難しくなってしまいます。アンモニア濃度が濃くなり過ぎている場合には水槽の水の半分程度の交換を行いましょう。

水替えは1週間に1回程度行うのが適度な頻度ですので、定期的に行うように心掛け、水替えを怠った場合には水槽の生き物に異常が見られないか確認して早めに水替えを行うようにしましょう。

汚れを取り除く

水槽内に溜まった餌の残りやフンなどを放置しているとバクテリアの分解率が上がり、アンモニアが発生し濃度が上がってしまう場合があります。そのままの状態にしておかず、汚れが目立つようになったらスポイトや網ですくい取って汚れを水槽内に放置しないようにしましょう。水替えを定期的に行えない状態ならば、汚れを定期的に取り除いておくだけでも濃度を上げずに維持することができます。

アンモニア中和剤を入れる

早急にアンモニアの濃度を下げたい場合には中和剤を入れてアンモニアから無害な物質に中和する方法もあります。現在の水槽の状態の緩和にはなりますが、飼育方法を改善しなければまた同じようにアンモニアの濃度が高い状態になってしまいます。

危険な濃度を脱したら、アンモニア濃度を上昇させない飼育方法に改善していきましょう。

アンモニア濃度を上げさせない!予防対策を実践して被害を未然に防ぐ

餌を与える量を減らす

餌を水槽内に放置しておくと残った餌からアンモニアが発生してしまいます。特に生餌を与えている場合にはアンモニア濃度が高い状態になるので注意が必要です。

飼育していた生き物が死んでしまった状態と同じ状態と考えましょう。また、フィルターにエサが吸い込まれる状態も水質を悪化させる原因になります。フィルターは常に水槽内の水を吸い込み続けていますので、餌でもフンでもお構いなしに吸い込みます。

餌がフィルター内に吸い込まれてしまったら、特に生餌などですが、フィルター内の汚れも一気に加速してしまいます。餌を与える時にはフィルターのコンセントを抜くなどして対策を立てるとよいでしょう。

元気なバクテリアを追加する

水槽内にバクテリアが減少してしまっている状態の場合には、新しくバクテリアを追加して水槽内の分解力を高める対策も有効です。目には見えないバクテリアですが、多少入れすぎても水槽には問題はなく、多くなりすぎると水槽内の生き物が酸欠を起こしてしまいますが、よっぽどの量でなければ影響が及ぶ可能性は低いです。

エアーを入れる

アンモニアは水中に溶け出しているので、エアレーションを行い水槽の外に排出することができます。アンモニアはガスなのでエアーに触れることで空気中に逃がすことができます。
また、上記のバクテリアのためにも酸素は大切になります。酸素を取り込みながら活動を続けるバクテリアは酸欠になると活動が鈍ってしまいます。水槽内で飼育している生き物やバクテリアのためにも酸欠が起こらない水槽環境を整えてあげましょう。

水槽内のアンモニア濃度を測る方法!定期的に濃度を計測し危険状態をシャットアウト

アンモニアテスターで計測してみる

水槽内の水を汲み取り、試験薬を入れると汲み取った水の色が変わり付属のシートの色に近い色になります。どの色に近いかをシートを見比べながら確認することでアンモニア濃度がわかります。
淡水用と海水用があるので購入する際に確認してから選ぶようにしましょう。

アンモニア試験紙で計測してみる

用紙を手で持ち水槽内に入れてアンモニアを計測します。しっかりした色が出ない場合もあるので使用方法を確認して説明書通りに計測をしてください。試験紙の保管場所は湿気がある場所だと使用する時に影響する場合があるので暗所で湿気が少ない場所に保管しましょう。