らんちゅうが浮く病気「転覆病」の原因 症状は浮く、沈む2種類

らんちゅうが水槽の上に浮いてきたり、底に沈んで動かなくなっている急な症状でどうしたらよいか焦ってしまうことがあります。らんちゅうが浮く病気に転覆病があります。転覆病の詳しい症状や原因、対処方法まで詳しくご紹介します。初期症状なら改善する見込みもあるので焦らず一つ一つ対処していきましょう。転覆病の他に、らんちゅうの掛かりやすい病気も紹介しますので合わせて予防のために参考にしてみてください。

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頭の肉瘤が印象的な金魚の王様「らんちゅう」の特徴を紹介

らんちゅうの特徴

金魚の中でも長い歴史があり、江戸時代から存在していた品種です。頭もボコボコした肉瘤が特徴的で、種類によっては肉瘤が少ない大阪らんちゅうと肉瘤が沢山ある宇野系らんちゅうなどがいます。

らんちゅうは他の金魚に比べて口が下についているので餌を食べる時は浮くタイプは食べにくくお勧めしません。

また、品種改良されてきた種類なので観賞用で原種の金魚に比べると泳ぎや丈夫さが重視されていません。そのため、金魚を飼ったことのある人や、飼育に慣れている人が飼育する場合が多い金魚でもあります。

らんちゅうの飼育環境

泳ぎが苦手ならんちゅうは単独飼育に向いていて、水流がほとんど発生しない水槽環境が望ましいでしょう。少しでもらんちゅうの負担にならないような環境を作るためには浅めの水槽で餌を食べやすくしたり、水流を発生させないように工夫をし、水質を維持するようにしましょう。また、泳ぎが苦手ならんちゅうのために、水槽内は水草なども設置しないようにし、広々と泳げる環境を作るようにしましょう。

品評会

らんちゅうは色合いや肉瘤などのバランスなどを競う品評会があります。一般の飼育者には縁がないものですが、品評会に出されるらんちゅうなどは高級で、賞を取ったらんちゅうなどはかなり高額な値段がつくこともあります。

飼育になれてきて興味があれば品評会について勉強してみるのもよいですね。

らんちゅうが浮く病気!「転覆病」には2つの症状がある

転覆病

金魚の体調が崩れてしまい平衡感覚が無くなったり、浮く力を調整できなくなってしまうのが転覆病です。症状は浮く、沈むと2つあり、沈む方は他の症状と間違われる場合があるので注意が必要です。

らんちゅうが浮く症状

らんちゅうが浮いてしまう場合には、お腹を上にして浮いてしまう場合と、背中を上にして浮いてしまう場合があります。また、下に潜ろうとしますが、浮いてきてしまい結果水面付近でどうすることもできな状態に陥ってしまうのです。

らんちゅうが沈む症状

浮袋の損傷により水の底から浮き上がることができなくなる場合があります。環境を改善すると回復する場合もありますが、損傷が激しい場合には弱っていってしまう場合もあります。浮袋が圧力を受けて潰れてしまう場合に起こりやすい症状です。

どうしてらんちゅうは浮くのか。病気の発生原因と飼育の注意点

浮く症状の原因

1.消化不良

金魚はエサを食べ過ぎると上手く消化できずにフンを排泄できないことがあります。これは金魚の消化器官の問題で改善することはできません。エサを食べさせないように飼育者側が気を付けていくしか対策はありません。

消化不良を起こした金魚はお腹にガスが溜まり、体が浮き上がってしまいます。

2.先天性の異常

浮くために必要な臓器である浮袋に生まれつきの異常がある場合には、上手く浮袋内のガスの移動ができずに転覆病を発症してしまう場合がります。

先天性の場合には治すことは不可能です。発症する前までは通常通り過ごせている場合もありますので、発症のきっかけを作らないことが重要になります。

ストレスや体調不良から異常をきたす場合が多いので日ごろから水槽内の管理や金魚の体調管理を行うようにし、予防していく必要があります。

3.体調不良

金魚は体が不調になると浮袋のガスの調整が上手く出来なくなる場合があります。体調不良により平衡感覚をコントロールできなくなったり、ガスの調節が上手く行かず浮袋の調整が上手くい行えなくなったりします。すると、浮いたままになってしまったり、沈んだまま動けなくなってしまったりという症状が出ます。

注意点を確認して転覆病を防ぐ

転覆病などの浮く病気を起こす原因に水温の急激な変化があります。

金魚は急激な温度変化が苦手で、これにより様々な病気を引き起こしてしまうことがあります。体調の変化から免疫が弱ったり、体の調整が狂ってしまうからです。

急激な温度変化を起こさない為にはヒーターの使用が不可欠です。しっかり温度管理を行って転覆病を未然に防ぎましょう。

また、水温が低いと金魚の活動も鈍っていき消化不良を起こしやすくなります。消化不良や便秘を起こさないためには低い水温での飼育は行わないようにしましょう。

らんちゅうが浮く転覆病の対処方法と直し方!意外な食材の使用も可能

転覆病の対処方法

  1. 金魚が転覆病になって浮いているのを発見したら、まず他の水槽に移す必要があります。効果的な方法として、ビニール袋内で様子をみる方法があります。
  2. 別な水槽にカルキ抜きした水を少量入れます。更に水槽内に袋を入れて、その袋の中に金魚を飼育していた水を1~1.5リットル入れましょう。袋内で泳ぎ回れるスペースが少量確保できる程度のビニール袋が必要です。
  3. 隔離用水槽にヒーターを設置して25度に保ち、ビニール袋内にはエアレーションを設置してください。環境を整えたら浮く症状のある金魚を移します。
  4. 金魚がいるビニール袋に食塩を入れて塩浴させます。水1~1.5リットルに対して5%の食塩が必要です。徐々に食塩を入れて水質が急激に変化しないように注意しましょう。
  5. 唐辛子も塩浴時に一緒に入れると効果がある場合があります。一本分を輪切りにして一緒に入れておきましょう。この時、浮いている金魚に唐辛子が触れても気にせず、金魚が元気を取り戻すまで数時間様子を見ましょう。治るまでに数日かかる場合には唐辛子は毎日取り除き新しい物と交換するようにしてください。
  6. 金魚の餌や水草はビニール袋に入れないようにして絶食させるようにしましょう。1~2日程度で調子を取り戻しても、餌は1週間程絶ち様子を見てから与え始めてください。
  7. 調子を取り戻したら金魚入りのビニール袋を隔離用の水槽から出して金魚だけを新しい水槽に入れてしばらく様子を見るようにします。1週間ほどの隔離が丁度よい長さです。隔離用水槽にも食塩を大さじ5杯程度入れて調子が戻るようであれば元の水槽に入れて飼育してください。

唐辛子の使用

転覆病の治療に水槽に一緒に唐辛子を入れると魚の新陳代謝を高める効果があるとされています。唐辛子は一本程度の使用が適量で、そのまま入れたり、輪切りにして使用したりと飼育者の好きな方法で使用可能です。ですが、使用してみた人によっても個人差があり、水槽内の環境が改善されない場合もあるため使用する場合には一度調べて納得してからの使用をおすすめします。

らんちゅうが発症しやすい病気は…転覆病以外の病気を紹介

らんちゅうが発症しやすい病気には、小さな点が体に発生し、皮膚がただれてしまう「白点病」、体の鱗が逆立つ「まつかさ病」、水カビが付着して起こる「わたかぶり病」、細菌がエラに付着して上手く呼吸を行なえない状態にしてしまう「エラ病」、エラ病の進行が進みエラが腐ってしまう「エラぐされ病」、食べ過ぎや便秘などからくる「消化不良」も病気の一つです。